家の洗濯機が吹き飛び、インスタントコーヒーが散乱する

2025-01-22

10時に起きて始業した。毎日こんな感じだ。日記を読み返すと高い頻度でこれと全く同じ書き出しの日が見つかる。



今日も予定されたコーヒーに対するフェイントみたいなことをした。朝はベースブレッドのチョコレートを食べた。悪くはないが良くもなかった。慣れてきたので前よりは良くなっている。昼はカップ麺を食べて昼寝をした。

荷物がいくつか届いた。ハンガーとか収納用の不織布のボックスとか、排水口カバーの金属網とか、あとざると掃除機が届いた。



19時半に終業した。それでプールに行くことにした。洗濯を回してから外に出た。乾燥はしないようにした。乾燥するときにしわがつくから、分厚いコットン地のTシャツとかつるっとしたブロードのワイシャツみたいな洋服は洗濯機の中で乾かすべきではない。それがこの前得た知見だった。それなら結局、半分くらいの衣類は干す作業が必要になるじゃないかと思う。僕は外に干したり取り込んだりする手間を排除するために9.8万円の洗濯機を買ったはずだった。その意味はあんまりなくなってしまった。でもまあ仕方なかった。こうなってみないと分からなかったことだっただろう。



20時ちょうどにプールの入り口を通過した。チケットは一階で入り口は二回だった。トレーニングルームもプールも共通のチケットみたいだった。1回券が520円で1時間券が260円だった。券売機は電子マネーに対応しており、iDも使えた。

感じの良いプールだった。更衣室は新しく、スーパー銭湯みたいに綺麗で清潔だった。平日の夜だったので比較的泳いでいる人も少なかった。でも監視員は十分すぎるぐらい配置されていた。メインのプールを見張るメンバーも1人か2人ぐらいいるうえ、この時間に誰も使わないだろうにウォータースライダーの近くにも1名監視員が配置されていた。ジャグジーのところにも1人立っていた。

25mが6レーンある普通のプールだった。水位は少し高めに感じたが普通だった気もする。1レーンが往復50mの完泳用で、2レーンが片道25mの完泳用で、残りの3レーンがフリーゾーンだった。プールに着水するときに梯子で足を滑らせて足をすこし打った。2レーンのところを3人か4人で回していた。そのため、ストレスはかなり少なかった。50mのレーンは誰かが1人で使っていた。そっちに行っても良かったが、実質的にその人の縄張りみたいになっているのかもしれないし、50m一気に泳ぐのは僕にとっては大変なことだったのでやめておいた。

500mを泳いだ。片道20本を何回かに分けて泳ぐ。僕はよく1時間プールに入るが───あんまり長くいても面白いことがあるわけでもない───、今のところ1回で泳ぐ量はだいたい500mくらいに収束している。まず6本泳いで、少し休んで、次にたしか10本泳いだ。それでまた少し休んで、最後に4本泳いだ。

ジャグジーはプールの近くになく、廊下を渡って別の部屋に分かれてあった。そこに温浴室もあったので入ってみたがいい匂いもしないしほとんど暖かくもなかった。かなり常温だった。ジャグジーは広かった。260円でジャグジーに入ることができると思えば、別に泳がなくとも来る意味がある。

泳いでいる間は頭を空っぽにしてリラックスしたり、早急ではない要件についてぼーっと思いを巡らせることができるかなと思ったが別にそんなこともなかった。泳ぐことは運動器官を動かし、同時的に絶え間ないフィードバックを受け取ることだった。そのため、自然に自分の泳ぎ方を見つめたりその改善について考えることになった。これまではっきり意識していなかったが、泳いでいる間もそれなりに忙しくはなるんだなということがわかった。



水泳ゴーグルのレンズはブルーにするといい。どこかのタイミングでたまたまゴーグルを忘れたかゴムが切れてしまったとかで買ったものだった。プールに置いてある水泳用具の自動販売機で買ったものだったから、多くの選択肢の中から選んだわけではなく、たまたま青いレンズだった。でもそれは良い効果をもたらしてくれた。それはプールがきれいに見えることだ。プールというのは青のフィルターを通して見るとすごくきれいなものに見える。ゴーグルを取ったプールはとても黄色い。それでプールには黄色いものが意外に多くあることに気づく。レーンを隔てる浮きとか垂れ下がったフラッグが黄色かったりする。もっと照明とかを青っぽい色で固めたらクリーンなイメージが演出できるような気もする。

クロールで泳ぎながら考えていたのは次のようなことだった。顔の向きは前を向くべきなのかそれとも下を向くべきなのか。指は広げたほうがいいのか隙間があったほうがいいのか。ばたつかせる足の推進力はどこから来ており、どういう動きだとそれを有効に受け取ることができるのか。上体はねじらせるようにした方がいいのかぶれないで真下を向き続けていた方がいいのか、そんな感じだった。論点はいっぱいあったが、どれも特に自分で答えが出せそうになかった。

21時の10分前くらいに施設を出た。別にアナウンスもなかったし、まだプールに残っている人もいたし、トレーニング中の人もいたし、21時に閉まるとは思えなかった。施設が閉じる寸前の最後のひとりみたいな感覚が全然なかった。なんかよくわからなかったが、警備員のおじいさんに挨拶をしてそのまま出ることにした。



帰ると洗濯機が大幅に位置を変えており、家の廊下が塞がっていた。洗濯の40分余りの間にものすごい振動で自らが吹き飛ぶように躍動するフェーズがあるみたいだ。冷蔵庫の上に置いていたインスタントコーヒーが散乱していた。洗濯機がラックに体当りしてその隣の冷蔵庫にまで衝撃を与えたことがわかった。洗濯機はかなりの重さをしている。一人でもまあずらして動かせないこともないが自在に運べるわけでは全然ない。できればその場から動かず他に影響せず稼働してほしいなと思う。他にものにくっついて置いているならまだしも、一定のスペースは確保している。それに動かれたりその位置を回復したりというのも毎回していると床へのダメージも心配事項になる。

苦労して洗濯機の位置を戻し、そのあと洗い終わった洗濯物を外に干した。